日商簿記検定3級攻略法〜日商簿記過去問題を徹底攻略していきます〜

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小口現金とは、通信費や交通費、消耗品費などの一定の目的に限って日常の支払いのために前渡しておく制度のことです。

＜長所＞
・小額の経費をまとめて転記できるので労力が省ける
・定期的な清算・報告に対して現金補給ができるので内部牽制が行なわれる

＜短所＞
・いつくもの小口現金を設けると、全体で大きな金額となることがある
・清算されるまで経費の支払いが不明となり損益計算が不正確になる恐れがある

小口現金の最終的な処理は会計係が行うことになります。
小口現金の前渡し、支払い、補給は、小口現金勘定で処理します。

■小口現金を前渡ししたときは、前渡額を小口現金勘定で処理します。

例題：小口現金1,000円を小切手を振り出して前渡ししたときの仕訳をしてください。

解答：（小口現金）1,000　（当座預金）1,000

■小口現金係が小口現金係で支払ったときは、支払い額を小口現金勘定で処理しません。

例題：小口現金係が切手1,000円と交通費2,000円を小口現金で支払った場合の仕訳をしてください。

解答：仕訳なし

■会計係が小切手を振り出して小口現金を補給したときは、補給額を小口現金勘定で処理します。

例題：小口現金係に小切手1,000円を振り出して小口現金を補給したときの仕訳をしてください。

解答：（小口現金）1,000　（当座預金）1,000

小口現金は管理の都合から予定額を一定とし、その方法をインプレスト・システム（定額資金前途法）といいます。

＜インプレスト・システム（定額資金前途法）の流れ＞
１．会計係が一定期間に必要な金額を見積もり、同額の小切手を小口現金係に渡し、小切手を換金して支払いの準備を整えます。
２．小口現金係は、日々の取引の雑費などの小学区を支払いを行い、支払い額を小口現金出納帳に記入します。
３．小口現金係は、会計係に小口現金の支払い状況を定期的に報告します。
４．会計係は、小口現金係から報告された支払い額と同額の小切手を渡します。